合川小春

夏生まれです! うさぎと豆腐と本が好きです!

青森旅行日記2日目!(前編) ~旅のアイテムは厳選したりしなかったりが丁度良い~

こんにちは!

合川です!

 

昨日に引き続き、今回は先日の青森旅行について書きたいと思います!

 

 

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この日は青森旅行の2日目で、今回の旅行のメインでもある太宰治の生家・斜陽館に行きました。

斜陽館がある金木は、青森県の北西部・五所川原市に位置します。

1日目に宿泊した弘前市からは40kmほど離れているそうです。

ゆっくり観光するには早めの移動が吉! ということで、私たちの2日目の朝は5時に始まりました。

 

前日のアルコールもすっかり抜けたものの、暑くて眠りが浅かったものですから、もにょもにょ言いながらもなんとか起床しました。

身支度を整えホテルを出発。6時40分発のバスに乗り、五所川原駅へ向かいました。

さらば弘前

 

 

バスに揺られること1時間半。

予定よりも20分早い、8時ごろ五所川原駅に着きました。

丁度通学ラッシュの時間帯ということもあり、駅には高校生が沢山いました。

 

かわいらしくフレッシュな女子高生を眺めながら、「私も高校生に戻りたいな……」と在りし日に思いをはせました。

高校生は若くていいですよね。

私は今年成人したというのに、体力はじわじわと落ち、食は細くなり、自分の体の衰えを感じています。

できることなら若返りたい……!

 

……しかし、仮に私が高校生に戻ったとて、受験やテストや勉強に追い込まれる生活を繰り返すことになります。

さらに友達もいない少ないため、一人でお弁当を食べ一人で登下校する寂しい高校生活に逆戻りです。

それは嫌だ……!

 

「高校生に戻りたい」というよりはむしろ「高校生になりたい」と言った方が正しいかもしれません。

 

まぶしいくらいに青春を謳歌する高校生達に、自分の灰色の高校生時代を重ね合わせ、切ない気持ちになりました。

いくつになっても涙の数だけ強くなりたいものです。

 

 

それはさておき、五所川原駅に着いたら次は津軽五所川原駅に向かいます。

(向かうといっても五所川原駅のすぐ隣にあるのですが)

 

津軽鉄道では今では珍しい、紙の切符が使われています。

車掌さんがペンチみたいなものでパチパチやるあれです。

 

紙の切符

 

このタイプの切符は『銀河鉄道999』でしか見たことが無かったのでとてもワクワクしました!

最近は交通ICカードモバイル定期券などの便利なものが沢山ありますが、このような温かみのあるものもまた乙なものですよ……。

 

そんなことを考えながら切符を握りしめ、電車に揺られること30分ほど。

 

ついに太宰治の生まれ故郷・金木に到着しました!!

 

金木!

 

さっそく町を探索したいところですが、まだ朝ご飯も食べていないうえ、9時前なので斜陽館も開いていません。

茶店で朝ご飯を食べたいところですが、多くの喫茶店はランチタイムからの営業のようです。

駅から少し歩いたところにあるショッピングモール(スーパー)に向かい、そこのドトールで朝ご飯を食べました。

 

そうこうしているうちに丁度いい時間になったので、斜陽館へ向かいました。

 

 

遠くから見て思いました。

塀、デカすぎです。

近づくにつれて思いました。

家、デカすぎです。

 

とにかくでっかくて立派な建物です。

説明によると、この屋敷の工事費用に4万円(現在の7~8億円)が費やされたようです。

津島家がどれほどお金持ちだったのかがよくわかります。

 

斜陽館の1階は広々とした畳の部屋で、沢山の部屋がありました。

仏間には4mくらいもある、大きく金ぴかな仏壇がありました。

もし私がこんなに豪華な仏壇に祀ってもらえたなら、文句なしに成仏できそうです。

 

2階に続く階段は吹き抜けになっており、豪華な洋室が2階の中心に位置しています。

そしてその周りを囲むように子ども部屋や主人の部屋があります。

 

 

長椅子(ソファー)は当時の物のようで、よく太宰が寝っ転がっていたそうです。

扉には桃色の厚いカーテンがかけられており、上品な感じがしました。

 

先日紹介した谷崎潤一郎の短編小説『少年』の中に、主人公の少年が、友達のお坊ちゃんの家の西洋館を仰ぎ見る場面があります。

当時は珍しい、西洋館の中からは、お坊ちゃんの姉が演奏するピアノの音が聞こえてきます。

 

『(前略)……肉色の布のかかった窓の中から絶えず漏れてくる不思議な響き。……ある時は森妖魔が笑う木霊のような、或る時はお伽噺に出て来る侏儒(こびと)共が多勢揃って踊るような、幾千の細かい想像の綾糸で、幼い頭へ微妙な夢を織り込んで行く不思議な響きは、此の古沼の水底で奏でるのかとも疑われる。……(後略)

 

谷崎潤一郎 少年 (aozora.gr.jp)

 

 

この小説で登場する西洋館の内装のイメージが、まさに斜陽館の洋間とドンピシャすぎて感動しました。

 

家具や扉の木材は当時のまま保たれていますが、残念ながら布は色あせたり擦り切れたりしていました。

当時のカーテンやソファー布の色は当時はもっと鮮やかで、華やかな刺繍や織りが施されていたことでしょう。

 

 

斜陽館の中には記念スタンプが設置されていました。

筆記用具やノートは一切持ってこなかったので、パンフレットに押すしかないか……と思っていたのですが。

 

紙、あるじゃん。

 

文庫本

 

しかもめっちゃ丁度いいやつあるじゃん。

 

道中読もう読もうと思って持ってきていた本に押すことにしました。

 

そういえば前日も学びの家でスタンプ押してた

 

本のカバーの裏側がちょうどよくざらざらしていたので、いい感じにスタンプを押すことができました。

バス酔いで一文字も読めなかった本。

「荷物になっちゃったな~」と思っていた本が、こんなところで役に立つとは思いもしませんでした。

 

皆さんも旅行で文豪ゆかりの地に行くことがあれば、ぜひその人の本を一冊持っていくと良いかもしれません!

道中読んで楽しむだけではなく、本に記念スタンプを押して思い出を作ることもできます。

自分だけのサイン本みたいな感じです。

 

 

旅のエキスパート・大泉洋さん曰く、旅行に出かける際には、旅行先が舞台になった作品を見たり読んだりすると良いそうです。

そうすると、ただ漠然と観光するよりもより一層楽しむことができるそうです。

 

お恥ずかしながら、私は今回、太宰治の『津軽』を読まないまま出かけてしまったんですね。

「斜陽館すげ~~」とその大きさと豪華さにただただ圧倒されただけでしたが、『津軽』を読んでいればもう少し楽しめたのかもしれません。

それだけが少し心残りです。

 

ですが、谷崎潤一郎など太宰と同じ時代を生きた人の作品を読んでいたことで、より一層様々な作品への理解が深まったのではないかと思います。

それだけでもかなりの収穫だと思い、良しとしましょう……。

 

 

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2日目の金木町の散策はまだまだ続きます!

長くなりそうなので後半に続きます!

それでは一旦さようなら!