こんにちは!
合川です!
突然ですが、皆さんは香水つけてますか?
私はつけてません。
世の中には「モテ香水」と言われる、異性からも同性からも好感を持たれる、良いにお~いの香水もあるそうです。
これを付ければ「彼氏いない歴=年齢」の私でも大学で彼氏と友達が100人ずつでき、電車では必ず席を譲られ、挙句の果てには石油王に求婚されるかもしれません。
まあ無理ですけど。
……悲しくなってきたので本題に入ろうと思います!
今回紹介する本はこちらです!
『香水 ある人殺しの物語』 パトリック・ジュースキント / 池内紀(訳)
文春文庫
私が昨年度、大学でドイツ語の講義を受けていた時に、先生から紹介していただいた本です。
ジャンルはサスペンスに当てはまると思います。
「人殺し」というよりはむしろ「死神」の物語じゃないかさえと思います。
以下、簡単なあらすじです。
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舞台は18世紀のパリ。
フランス最大の都市「華の都」とは言うものの、大都市ですからとにかく人が多い。
人が多ければ悪臭も酷いです。
「華の都」という名前とは裏腹に、人々もどこかくたびれた感じのする、薄汚れた都市でした。
そんな汚れた街で産み落とされた男・ジャン=バティスト・グルヌイユ。
25歳の母親から調理場で産み落とされ、殺されそうになっていたところを発見され、一命をとりとめます。
この母親、今までに同じように4度も子供を産み落とし、そのまま殺していたことが発覚します。
唯一の肉親である母親は子供殺しの罪で処刑され、グルヌイユは孤児院や修道院をたらいまわしにされながら育っていきます。
グルヌイユは優れた嗅覚を持ち、この世の中にあふれる全ての匂いを分析・調香することができるという才能を持っていました。
その反面、他者への愛情や共感が欠如した人間でもありました。
目的のためには手段を択ばない、冷酷なサイコパスです。
やがて彼はパリ中を虜にする香水調合師として活躍します。
ある日出会った赤毛の少女の体臭に虜になり、少女を殺害し、匂いを奪います。
この少女の体臭を再び我が物にするために、グルヌイユはフランス中を脅かす殺人鬼となるのですが……。
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(ちょっと長くなりました、すみません。)
あらすじからもなんとなく察せられるように、グルヌイユと関わった人間はほぼ全員死にます。
蝶ネクタイの某小学生探偵やジッチャンが名探偵の某高校生といい勝負です。
グルヌイユが直接殺害した人々はもちろん、彼に関わっただけで非業の死を遂げます。
しかも大抵は悲惨な死に方で死にます。
これが私が彼を「人殺し」ではなく「死神」と呼ぶ所以です。
グルヌイユの恐ろしいところは「目的達成のためには手段を択ばない」こと、「匂いにしか興味がない」ことだと思います。
前者に関しては、赤毛の少女の匂いを我が物にするために、沢山の少女(女性)を殺め続けたことが挙げられます。
彼は天性の嗅覚を使い、「存在感を消す匂い」を作り出します。
これを体中にすり込めば門番でさえも彼を認識することはできません。
この香水を使った彼の前には、娘を守るための厳重な警備でさえも意味を成しません。
後者に関して、グルヌイユにとって興味があるのは匂いだけで、美しい乙女の肉体でさえも、彼にとっては理想の香りを作り出すための材料の一つに過ぎないのです。
まるでパズルのピースをはめるかのように、女性の体臭を分析し、一人ひとりの「匂い」を奪っていきます。
彼にとって女性を殺害することは、バラの香りを抽出するために花を手折るのと何ら変わりません。
匂いを抽出した後の「しぼりかす」には一瞥もくれず立ち去ります。
「目的達成には手段を択ばず、人間を人間と思わない」
ここが彼のもっとも恐ろしい点で、我々には到底理解できない思考回路なのだと思います。
人の手による裁きすら「匂い」で捻じ曲げていったグルヌイユ。
大量殺人犯の彼は、いったいどんな末路をたどるのでしょうか。
この本を最後まで読み終わったとき、いい意味で「なんだこの終わり方~~!!!」と衝撃を受けました。
やや生々しい描写もあるので無理にお勧めはできませんが、よかったら読んでみてください!
そして一緒に「なんだこの終わり方~~!!!」と悲鳴を上げましょう!
私はもう一生デオドラントしか使いたくないです。
さようなら。