こんにちは!
合川です!
突然ですが、皆さんはこんなことを考えたことはありませんか?
お姉ちゃんがほしい!
できれば優しくて美人なお姉ちゃんがほしい!!
そんでもってお姉ちゃんにめちゃめちゃに甘やかされたい!!!
…と。私はあります。
ここだけ切り取ると私がとんでもないド変態のように思われるかもしれないですが、ストレス社会を生きる以上、誰しもが一度は思うはずです*。
*合川調べ
これは極端な例だったかもしれませんが、人間は「精神的年上」に優しくされ癒されたいものです。
しかし私たちはWAGAMAMAですから、優しいだけじゃ物足りない・時には刺激がほしいと思ってしまいます。
具体的には、お姉さんに振り回されたり翻弄されてみたいですよね。
中にはSHIGEKIを求めすぎるがあまり、綺麗なお姉さんにもっといじめられたい・もっと弄ばれたい・自分を下僕にしてほしい……と望む人もいるそうです。
ここまで行ってしまってはもう手遅れです。諦めて女王様を探してください。
失礼ながら、文豪・谷崎潤一郎先生もその一人だそうです。
今回紹介する本はこちら!
刺青・少年 / 谷崎潤一郎(右)
私はあまり国文学に詳しくないので、生意気な事は言えません…!
勘弁してください…!
谷崎先生はとても美しい日本語をお書きになる方だと思います。
絢爛豪華、まるで金銀の縫い取りがふんだんに施された錦のような緻密で美しい文章です。
そのような綺麗な日本語で、日本の四季の移り変わりや文化、人の心の機微が描かれており、日本を代表する作家の一人だと思います。
そしておそらくマゾ気質もあります。
今回示した2冊に収録されている『少年』という短編小説を紹介していきたいと思います。
アンソロジーでは古屋兎丸先生がコミカライズを担当しています。
以下、簡単なあらすじです。
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主人公は10歳の少年で、「栄ちゃん」と呼ばれています。
ごくごく普通の少年です。
彼が学校から帰ろうとすると、同級生の塙信一という少年に声を掛けられます。
彼は良家の息子、いわゆるお坊ちゃんなのですが、とんでもない意気地なしでいつも付き添いの女中と一緒にいます。
信一は
「今日ぼくの家においでよ、一緒に遊ぼう。うちでお稲荷様のお祭りがあるんだ」
と私(栄ちゃん)を遊びに誘います。
私が信一の家に遊びに行くと、信一は学校での意気地なしはどこへやら、女中や下男相手に威張り散らしていました。内弁慶のようです。
学校ではガキ大将の仙吉は、塙家の馬丁の子どもであったそうで、坊ちゃん坊ちゃんと信一のご機嫌を取っています。
信一は残忍な子供のようで、姉・光子の人形を振り回したり、光子をぶったりして楽しんでいます。
光子の様子を心配する私に、信一はこう言います。
「泣いたっていいんだよ。毎日喧嘩して泣かしてやるんだ。姉さんたってあれはお妾の子なんだもの」
3人の少年たちと1人の少女は、「犬ごっこをする」「小刀で体を切らせる」など、次第により残虐な遊びに傾倒していくのだが……。
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ここであらすじを止めてしまうと、光子お姉さんがひたすら可哀想な目に合う話に思われます。
ですが安心してください。物語の後半、思いがけないどんでん返しが待ち受けているのです。
お姉さんの方が何枚も上手だった、と言うよりもむしろ「残虐な遊びを繰り返す中で、お姉さんの中で何かが目覚めてしまった」という感じがします。
しかも栄ちゃん(私)も「遊びの中で何かに目覚めてしまった」感があります。
ここまで言えばなんとなくわかりますよね……。
この作品は、子ども同士の関係性や子どもの無垢な残酷さ、いけないことをしているような後ろめたさが魅力です。
親や使用人の目を盗み、子ども同士で悪い遊びに耽る薄暗さ、湿り気のようなものを感じることができると思います。
アンソロジーでは、古屋兎丸先生によりこの耽美な世界観が丁寧に描かれています。
古屋先生は『ライチ★光クラブ』のように薄暗い子ども同士の秘密を描くのがとてもお上手なので、谷崎先生の世界観にぴったりだと思います。
小説とコミカライズ版の両方を読むと、絢爛豪華な谷崎ワールドをより一層楽しめると思います。
ややSMチックな描写もあるので、痛いのが苦手な方は注意してください!
人のことをいじめると、後でとんでもないしっぺ返しを食らうだけでなく、一生変えることのできない性癖を刻み付けられてしまうかもしれません!
お姉さんにワガママを言いすぎたり、日常生活に刺激を求めるのもほどほどにしましょう!
さようなら!
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(追記)ごめんなさい!大学の用事で明日から1週間ほど日記の更新ができなくなるかもしれません!